目次
はじめに
近年、私たちには新たな次元の世界が身近になりつつあります。その鍵を握るのは「メタバース」と呼ばれるデジタル空間です。メタバースは言葉の認知こそ高いものの、まだマネタイズ領域での成熟度が低く、ビジネス活用には消極的な意見も目立ちます。しかし、この2024年においては、大きくその価値観が変わる可能性が想像されます。
またメタバースという「場所」は、現実世界とデジタル世界が融合した「これから」の先進的な場所であり、我々の日常や経験のあり方を根本から変える可能性を秘めています。しかし、この革新的な世界に足を踏み入れる際に、私たちはxR(エクステンデッド・リアリティ)という技術や概念にも目を向ける必要があります。
この記事では、「ちょっと先の未来」をみなさんと一緒に想像できるように、そしてそれを実現していくキーワードをご紹介したいと考えています。 ただし、ただキーワードを説明するだけでは面白く無く、「そっち側の見解でしょ?」という見方もできてしまいます。 そのため、「否定的な見解」「肯定的な見解」「その中間の見解」の3つの視点でキーワードを紐解いてみました。 自分の意見・見方はどのあたりに位置するか?などと照らし合わせて読んでみてください。
1.キーワード「メタバース」
Aさん:否定的な見解 メタバースとはいわゆるバーチャル空間のようなものと把握していますが、これが一体何の役に立つのかが想像できません。ゲームの延長のようなものであり、そこでビジネスを成立させると言われていますが、真偽性に欠ける懸念があります。 例えば、バーチャルなコンサートへ参加しても、実際に現地で音楽を楽しむこととは比べものになりません。また、バーチャル空間での交流がリアルな友情や人間関係を築くことに繋がるとは考えにくいです。そのため、一部の利用者のみが使う技術であり、誰もが活用するような、広く一般への浸透は想像しづらいと考えます。
Bさん:中間の見解 メタバースという概念には興味がありますが、現在のところはその実用性に疑問を感じます。 例えば、オンラインのビジネスミーティングでのバーチャル空間は、対面の会議よりもコミュニケーションが難しくなる可能性があるのではないかと思います。ただし将来的には、バーチャル空間でのコラボレーションが実用的になる可能性も否定できません。その際には、リアルなコミュニケーションとのバランスが重要になるような印象を抱いています。いずれにしても、必要になったタイミングから活用や利用を知っても遅くは無いのでは?と考えられます。
Cさん:肯定的な見解 メタバースは、新しい形のコミュニケーションや経験の場を提供する革新的な概念です。 例えば、バーチャル空間でのイベントは、物理的・地理的な制約を超えて参加者をつなぐことを可能にし、これまで必要だった時間のコストを圧縮し、また新たな文化の創造や交流を促進することができます。また、教育分野では、バーチャル空間での体験型学習が生徒の理解を深めることに役立つ可能性もあります。インターネットの普及により個人が取り扱う情報が爆発的に増えたように、メタバースは擬似的であっても個人の体験幅を爆発的に広げられると考えます。これらのポテンシャルを追求し、メタバースを未来の社会に活かすことが重要だと思います。
2.キーワード「xR技術」
Aさん:否定的な見解 xR技術は、拡張現実や人工現実などの技術を包括したもの、という技術であることは理解していますが、それが一般的に普及するとは考えにくいと思います。 例えば、現実世界で使っているスマートフォンやコンピューターが便利であり、生活に十分役立っていることを踏まえても、それを超える技術は必要ないとも言えます。 また、コロナのような世界全体でのゲームチェンジが発生するような事態が起きない限り、新しい技術への移行には多くの人が抵抗を感じるため、進みづらいこともあります。 また、VRゲームやARアプリなども、一部のファンや愛好家にしか受け入れられない可能性が高いと考えられます。 母数を踏まえると、同領域でソフトを開発するディベロッパーやパブリッシャーにとっても投資対効果が低いため、活性化する可能性は低いと考えられます。
Bさん:中間の見解 xR技術には興味がありますが、現時点ではその実用性には疑問を感じています。 例えば、VRを体験するために必要なヘッドマウントディスプレイのセットは高価であり、使用する際の制約も多くなります。将来的にはこの技術がより身近なものになり、まずは職場から、次に日常生活において役立つ時代が来る可能性はあると思います。 ただ、今すぐ活用でき便利になるようなプロダクトを提示されても、それに対する対価をどこまで支払えるか?は疑問があります。 今後、更に技術が進化し普及する時期には、使いやすさや快適さが重要な要素となることは想像ができ、新しい仕事や業務も生まれる可能性はあると思います。
Cさん:肯定的な見解 xR技術は、現実とデジタルの融合を促進し、新たな体験を可能にする革新的な技術です。 例えば、ARを活用したナビゲーションアプリは、現実世界での移動をより効率的にすることができます。また、VRを活用したトレーニングシミュレーションは、リアルな体験を提供し安全な環境でスキルを向上させることもできます。まだこれらも、「こういうことができる」という最初の段階で「実現してみたプロダクト」という見方ができ、まだまだ活用のポテンシャルを秘めています。今後更にこれらの技術が進化し普及すれば、より生活を豊かにするために使いやすくなり、スマートフォンのポジションと同じく「当たり前」に生活の一部に溶け込んだ時代が来ると考えられます。
3.ソーシャルVR
Aさん:否定的な見解 ソーシャルVRとは、バーチャル空間内での交流を重視した技術と理解していますが、それが実際に人々の間で普及するとは考えにくいと思っています。 例えば、リアルな友人や家族との直接的なコミュニケーションや交流が重要であり、バーチャル空間での交流はそれに代わることができないことが考えられるためです。現にコロナ禍が明けた後、オフラインよりもオンラインでの対面打ち合わせややり取りが好まれる傾向も如実に発生しています。オンラインでのやり取りが一気に普及した背景は、それしか選択肢が無かった(制限がかかっていた)ことや、その方法を相手が望むことが多かった、という事情に因るところがあると思います。そのため、ソーシャルな文化は発展を遂げましたが、VR技術を活用してまでコミュニケーションを取る文化は一部でしか活用されないと考えられます。
Bさん:中間の見解 ソーシャルVRという概念は興味深いですが、現時点ではその実用性には疑問が残ります。 例えば、バーチャル空間でのコミュニケーションはリアルなものとは異なり、その魅力には限界があると考えられます。ただし、将来的には、遠距離の友人や家族との交流においては欠かせない手段として役立つ可能性もあります。これは、コロナ禍においてオンラインでのミーティングやセミナーがある程度「この形式でもやり取りが成立する・できる」ことを証明できたからに他ならないからです。そのため、今のオンラインコミュニケーションに不足している情報を補足・補完していく形で、技術や概念は拡大していくと想像できます。その際には、リアルなコミュニケーションとのバランスも重要になると考えられます。
Cさん:肯定的な見解 ソーシャルVRは、新たな形のコミュニケーションを促進する革新的な技術として注目を集めていいます。 例えば、バーチャル空間内でのイベントやパーティーは、物理的・地理的な距離を超えた参加者をつなぎ、新たな出会いを創出し、これまでに無かったコミュニティ形成の機会を可能にします。またVR空間内での協働作業やゲームは、新しい体験を生み、想像力を活性化させ、チームワークやコミュニケーション能力の向上に役立ちます。こういったゲームやコンテンツから発生した新しい知見は技術化され、広く一般に普及し、人の生活を豊かにし、ライフスタイルを変えていく時代が来ていると思います。この「人同士がコミュニケーションを取るための技術」は将来的にますます普及し、人々のつながりをより深める手段になることが考えられます。
まとめ
未来のデジタル技術に対する見解は一人ひとり異なります。 まだ専門的過ぎて、何が自分にとって有用で活用できるのかがはっきりしない・よく分からない、というのが理由になります。 今回はメタバース、xR技術、そしてソーシャルVRというキーワードを、否定的な視点・中立的な視点・そして肯定的な視点から見解を挙げてみました。どの部分に共感をお持ち頂けたでしょうか?またいずれの意見も納得感があるポイントはあったでしょうか?どれも間違いでは無く、また完全な正解とも言いづらいと考えています。 そのため今後これらの技術がどのように発展し、社会に影響を与えるかは仮説の段階であり、まだわかりません。しかし、それぞれの技術には未来を拓く可能性が秘められています。
まずは分からないを「分かる化」し可能性を探る。 新しい技術や概念に対してもオープンな姿勢を持ち、その可能性を探求していくことが重要であると考えています。