アイスリーデザインでは2024年5月14日(火)~6月13日(木)の期間、「DXブートキャンプ5days」を開催し、合計5日間にわたりオンラインセミナーを行いました。
この記事は、5日間にわたるイベントのDay2、株式会社MJ 代表取締役の宮野淳子さんをお迎えしたキーノートセッション【データドリブン経営でUXを高めLTV向上を目指す】の内容を対談形式で再編集したものです。
DX推進のためのビジネス戦略策定において、顧客体験を軸としたデータドリブンな考え方がなぜ重要なのか、自社の成長を加速させるためにはどのような具体的かつ実践的なアプローチをしなければならないのかを元GODIVA最高デジタル責任者、現MJ代表 宮野さんの豊富な経験と実績を基に語っていただきました。対談相手は、数々のSaaS製品の立ち上げやグロースを成功させ、現在は株式会社アイスリーデザインでCMOを務める吉澤和之。
▼こんな方におすすめ
- デジタル活用の推進をしたい経営者や役員の方
- システム導入ありきではなく、LTV(顧客生涯価値)の最大化をしたい方
- 顧客中心のアプローチを強化するための、実践的な方法論や戦略を知りたい方
- ビジネスの意思決定にデータを活用し、より精度の高い戦略を立てたい方
目次
1. プロフィール紹介
株式会社MJ 代表取締役 宮野 淳子
オーストラリア ロイヤルメルボルン工科大学大学院卒業後、世界No.1化粧品ブランド、ロレアル パリの日本立ち上げ要員として日本ロレアルに入社。ダイレクトマーケティング・CRM・デジタルマーケティングを統括し、DX推進を経て、カテゴリー売上シェアNo.1など実績を残す。
その後アマゾン ジャパンに転身し、ソーシャルマーケティング及び、ファッション事業部のマーケティングを統括後、ジョンソン・エンド・ジョンソンに移籍。オムニチャンネル・デジタルトランスフォーメーション推進部門統括、世界初のプリシジョンマーケティングモデルの構築などを経て、ゴディバ ジャパンChief Digital Officer 兼 マーケティングコミュニケーション & デジタル / ITトランスフォーメーション統括本部長に就任。マーケティング・ビジネスモデルの変革を実行し業績を残した後、株式会社MJを設立。
現在では複数企業にCDO・CMO・取締役として参画し、上流から下流までの全体設計を行う。各企業の環境に合わせた心地よい変革を実現させ、長期的成長と業務効率化を一緒に目指す取り組みを支援。その他プロジェクト案件では、M&A案件に関するマーケティング視点でのデューデリジェンス支援や、日本市場参入支援、DX立ち上げ、新規ブランド立ち上げ、市場調査、成長戦略、商品開発サポートなど幅広く支援。テクノロジー企業複数社のアドバイザー・宣伝会議講師・スピーカーを通じて人材育成活動にも積極的に従事する。全日本DM大賞審査員。
株式会社アイスリーデザイン 取締役 CMO 吉澤 和之
フリーライターからキャリアを始め、創刊雑誌の初代編集長を務める。その後広告代理店でクリエイティブデイレクターを経験した後、外資系MarTech企業(現Cheetah Digital社)に転職。ビジネスアーキテクトとして新規事業開発やマーケティングなどに従事。
その後独立し、個人でSaaS企業の事業コンサルティングを行う傍ら、ニューヨーク発のIT企業MovableInkの日本進出支援、Repro株式会社にてCBDOなどを歴任。20年6月からは台湾発AIテックスタートアップのawooにジョインし、日本市場開発責任者として日本法人の立ち上げとグロースを成功させる。
21年スタートアップピッチアジェンダ最優秀賞、22年繊研新聞主催ファッションECアワード受賞。23年2月よりアイスリーデザイン株式会社に参画し、現在は取締役としてCMO/CBO(Branding)/CCO(Customer)を務める。
2. マーケティングとは、顧客の深層心理を理解し、寄り添うこと
吉澤:宮野さんは事業会社、特に外資系企業のマーケターとしての豊富な経験を活かし、現在はご自身で会社を立ち上げ、企業のDX推進をサポートされています。そんな多くの実績の中で学んだ、マーケティングを行う上で、意識されていることはありますか?
宮野:そうですね。私がマーケティングをしていく中で一番気をつけていることは、顧客の深層心理を理解し、寄り添い、共感を得るということです。顧客理解が大切だとよく言いますが、どれだけ深く理解しているかが重要なんですね。
例えば、リサーチをして出てくる結果において、表面の合理的な理由の部分を理解出来ていることは多いと思います。ただ消費者も含め、人間というのは表面には現れていない部分に深く潜んでいる感覚というのがあります。人が無意識に判断し、行動に移しているディープインサイトまで理解し、寄り添い、共感を得た上で、マーケティングを構築するということを意識しています。
株式会社MJでご支援させていただく場合には、売上増加と業務効率改善という2点をビジネスゴールに設定しています。売上増加においては、例えば新規顧客の効率的な獲得であったり、顧客の育成であったり、離脱の防止に取り組んでいきます。業務効率改善については、アイスリーデザインさんの支援分野になってきますが、例えばシステム設計を変えるだったり、BIを導入して分析効率を上げていくといったアプローチを取ります。
まとめると、システム改修、組織デザイン、そして人材育成まで全部まるっとやることで、自社カルチャーに合わせた心地よい変革というのを支援しています。というのも、いろんな会社さんを支援させていただく中で、やはり共通化したフレームワークを適用してもあまりいい結果が出なかったんですね。なので、企業ごとに独自のカルチャーや皆さんの状況を理解した上で心地よい変革を目指すというスタイルにたどり着いたわけです。
吉澤:MJさんの対応領域である顧客体験設計や戦略設計と、アイスリーデザインの対応領域であるアプリ開発や分析などのシステム構築、UIUXの改善といった実行・運用の部分を組み合わせて、3Dsソリューションというものをご提供しております。
DX推進における戦略の構築からまずは頼みたい、もしくは全体設計を見直したいなど、DXのいずれかのフェーズで課題感をお持ちの方は、まずは壁打ちからでも構いませんので、こちらからご相談いただければと思います。
では早速、宮野さんにデータドリブンの重要性、そして具体的なDXの進め方についてお伺いしていきましょう。
3. データドリブンがなぜ重要なのか?
吉澤:DXを推進する上で、データドリブン(※1)経営というワードは度々登場しますが、データドリブンがなぜ重要なのでしょうか?
(※1)データドリブンとは?
データに基づいて意思決定や課題解決を行うアプローチのことです。MA(マーケティングオートメーション)やGA4などから様々なデータ(売上、顧客情報、Webアクセスログなど)を収集・分析し、分析結果に基づいて、客観的かつ合理的な判断を行います。経験や勘に頼るKKD(勘・経験・度胸)とは対照的なアプローチであり、ビジネスの意思決定や施策立案に活用されます。
宮野:はい。まずはデータドリブンが重要視されるようになってきた背景といいますか、市場の概況からお話しさせていただきます。
広告費やインターネット利用率から見る情報源の変化
宮野:日本の広告費は毎年毎年伸びており、広告の種類における割合は時代とともに徐々に変化してきています。昔はテレビや新聞・雑誌の広告が多かったのですが、ここ数年はインターネット広告の割合が伸びており、全体の45%をインターネットの広告が占めるようになっています。その中でも検索連動広告、運用型広告、ビデオ広告(※2)が多くなっていて、この辺りはコロナ以降に結構伸びてきているなという印象です。
(※2)広告の種類
・検索連動広告:ユーザーが検索エンジンで特定のキーワードを入力したときに表示される広告
・運用型広告:リアルタイムでデータを分析し、広告の配信や予算を最適化していく広告手法。検索連動広告もこの運用型広告の一種。
・ビデオ広告:動画コンテンツを使用して商品やサービスを宣伝する広告形式
そして、年代別のインターネット利用率は40代以下の方ではほぼ90%以上になります。また、以前アマゾンにいたときに各国の状況も見てきたんですが、日本人の特徴としてレストランに行く前とか買い物をする前に、ネット検索する方がとても多いです。これは自分の感覚をもっと確かにしたいとか、他の方の評判を先に知って安心したいというカルチャーがおそらくあるんだと思います。なので、おそらく検索連動型広告とか、SEO対策を強化される会社さんが日本で多いのは、購買行動の前にネット検索をするユーザーがとても多いからだと思っています。
吉澤:なるほど。インターネットの利用率の増加とともに、実際に企業が出稿する広告の種類も変化してきているということですね。
宮野:そうですね、デジタル化というのが非常に重要な時代になってきたというふうに思います。若い世代のデジタル化に関しては皆さんご存じの通りかと思うのですが、実は50代・60代以上の方の購買行動のきっかけになる情報源というのも変化してきているんです。
高い年齢の方がターゲット層である会社さんも支援させていただくことがあるんですが、「60〜70代の方が一番多く、インターネット使う方なんてほとんどいないので、あまりそこにお金をかけたくない」と言われるケースが多いんですね。しかし、現在スマホの利用率は年代問わず非常に進んでいまして、高年齢層の方もかなり進んできています。
矢野経済研究所の健康食品購入のきっかけについての調査によると、60代以上の男性の健康食品の購買のきっかけの1位はインターネット広告になっています。50代以下の男性もインターネットで自分で検索してというのが一番多くなっています。女性の方は、60代以上だとテレビCMを見てが最多、次にインターネット広告を見て、になっています。そして、男性と同じく50代以下になると自分でネット検索をするという方が多くなっています。2021年のデータになりますので、 現在ですとおそらくもっとインターネットの広告から、もしくは自分で検索をするという傾向が年代問わず高くなっているかなというふうに思います。
吉澤:この辺りは未だ先入観と言いますか、これまでの経験上でなんとなくこうすべきという考えをもっている会社さんも多いかと思います。
宮野:はい、おっしゃる通りですね。なので、この機会にぜひ認識のアップデートをしていただければと思います。今後はデジタルネイティブ世代の割合がどんどん増えていきますので、よりデジタルに寄ったマーケティング施策が重要になっていくでしょうね。
また、特に年代が高い商材サービスを取り扱う会社さんの場合は、年代が上がれば上がるほどブランドスイッチが起きにくいという傾向が見られます。ブランドスイッチが起きにくいということは、自ら何か欲しいと思ってインターネットの検索をする、もしくは広告を見てその商品が欲しいと思って、ブランドサイトに行くというのがあります。最初にその会社の商品を買ってしまうと、他社製品にスイッチするということがあまり起こらないので、早い段階でユーザーを増やすことが重要になります。インターネット経由でユーザーを増やし、CRM(※3)に注力した上で、エンゲージメントを計って顧客を囲っていくことによって、売上を伸ばしていくことができると思います。
(※3)CRM
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客との関係を管理するためのシステムです。顧客情報や行動履歴を統合し、営業、マーケティング、カスタマーサービスで活用します。これにより、顧客満足度の向上や業務の効率化、収益増加を図ることができます。顧客との良好な関係構築を支援し、特にコミュニケーションを重視する企業にとって重要なツールです。
吉澤:また、情報源の変化とともに、情報の量も以前より格段に増えていますよね?
宮野:そうなんです。流通する情報量は、昔に比べて大幅に増加しています。総務省によると、インターネット接続の増加によって私たちが普段接触する情報量が大幅に増加している一方、消費情報量はそれほど増えていません。人間の脳の機能には限界があるので、接触する情報量が増えたからと言って、すべてを取り入れることはできません。つまり、消費者は情報を取捨選択するようになったということです。
捨てられる情報になってしまっては、いくらお金やリソースをかけても無駄口になりますので、いかにターゲットユーザーに必要な情報と思わせるかということが重要になってきます。今後もっとこの傾向が顕著になっていくことが予想されますので、マーケティングにおいて、よりユーザーのパーソナライズドな理解とパーソナライズされたエクスペリエンスを提供することが重要な時代になってきたということになります。
「デジタル化するか死ぬか」:世界的大企業の経営破綻から学ぶ、消費者理解の重要性
吉澤:「デジタル化するか死ぬか」、なかなかインパクトのある言葉ですね。これはどういうことなんでしょうか?
宮野:そうですよね。この言葉は、”近代マーケティングの父”とも呼ばれるフィリップ・コトラー氏(※4)が2015年に発表した、「Digitize or Die」という言葉を訳したものです。まだ今よりもDXという言葉が浸透していなかった2015年当時に、だいぶショッキングなことを言っているのですが、少し先の未来を的確に言い当てていました。まさに、「デジタル化するか死ぬか」を体現してしまった2つの事例をご紹介したいと思います。
(※4)フィリップ・コトラー
“近代マーケティングの父”とも呼ばれる著名なアメリカのマーケティング学者。4PのマーケティングミックスやSTP戦略などの概念を提唱し、マーケティング理論の発展に大きく貢献しました。コトラーの理論は、顧客中心主義や社会的責任を重視する現代のマーケティング実践に多大な影響を与えています。
宮野:BARNEYS NEWYORKは、アメリカの歴史ある老舗の高級百貨店ですけれども、この会社は2019年に経営破綻しています。不動産とかいろいろな問題があったというのは、経営破綻の原因として発表されているんですけれども、本当の原因というのは、今までは競合が他の近くにある百貨店だったのが、「競合が世界になった」ということなんですね。どういうことかというと、デジタル化が進む以前の高級百貨店が揃えているブランドというのは、バイヤーが仕入れたものでした。ただ、いつの間にかオンラインで海外から直接もっと安い値段で買えて、もっと早く家に届くみたいな環境になってしまったわけです。要するに、デジタル化の遅れと差別化ができなくなったこと、それによって世界が競合になって負けていったことが経営破綻の本当の原因ではないかという風に言われていたりします。
もう一つは、同じく2019年に経営破綻したFOREVER 21というカリフォルニアの洋服のブランドの事例です。この会社は結構早くからEコマースに力を入れていたので、決してデジタル化が遅かったわけではありませんでした。ただ、このブランドが経営破綻をした時の経営者のインタビューによると、ブランド名の由来にもなっていますが、19歳の方が21歳に憧れて買うような商品というのをコンセプトとしていたものの、実際の購買層は40代くらいだったといいます。自分たちが目指しているブランドと実際の購買者の層の乖離がある場合は、どちらかを修正すべきなんですね。つまり、自社の環境をよく見る、そして必要であれば自分たちを変革していくということが重要になります。
吉澤:この2社は日本でも知られているような有名ブランドだったので、当時経営破綻のニュースに衝撃を受けた方も多かったと思います。この事例から学べることはどういったことでしょうか?
宮野:経営破綻という結果に追い込まれてしまった原因の一つは、消費者理解の不足だったと思います。消費者を理解して自社を最適化することができなかったということです。今までは単純に商品を販売するという会社さんが多かったと思いますが、消費者のニーズが千差万別になっているので、これからは消費者の共感を生むようなエクスペリエンスの提供者になっていかないといけないと思うんです。
顧客との関係強化に活用できる4Rコミュニケーション
4Rコミュニケーションとは?
吉澤:消費者の行動様式やニーズが多様化している時代、消費者を深く理解することが重要だということですが、具体的にどのようにして消費者への理解を深めればいいのでしょうか?この方法について知りたい企業さんは多いと思います。
宮野:そうですよね。前提の部分が長くなってしまいましたが、ここからは実践的な手法の部分についてお話しさせていただきます。
共感を得るためにエクスペリエンスを提供することが大切だとお伝えしましたが、これはいわゆる単なるモノを販売する「モノ売り」から、エクスペリエンスを提供する「コト売り」につなげていくということです。それから、もしお客様に課題があるのであれば、それを速やかにサポートすること、そして応援すること。これを実現することが私はDXであるという風に考えています。これを単純に実現するだけではなくて、その会社さんのブランドの存在意義(ブランドパーパス)・専門性や資産を活用して行うことによって、ビジネスを伸ばすことこそがDXの時代にできるマーケティングの変革だと思います。
マーケティングの変革をどのように起こしていくかなんですが、4Rコミュニケーション(パーソナライズドコミュニケーション)というものを活用することができます。海外ではプリシジョンマーケティングとも呼んだりするのですが、 顧客の今を理解して寄り添う、そういったマーケティング手法です。
◇4Rコミュニケーション(パーソナライズドコミュニケーション / プリシジョンマーケティング)
カスタマージャーニーを理解した上で最適なコンテンツジャーニーを戦略的に設計。
ユーザーの状態・今の気持ち・段階に合わせたコンテンツを最適な手法でお届けする。
- Right Target:最適な相手に
- Right Timing:最適なタイミングで
- Right Content:最適な内容を
- Right Channel:最適なチャネルで
宮野:例えば、皆さんがレストランのマーケターで、単価を上げなければいけないという課題を持っているとします。その時ターゲットとすべき最適な相手は、今そのお店で食事をしている人になります。その人がメインを食べ終わった後でデザートを食べたいなと思っているときに、単価を上げるためにはぜひそのお店でデザートを食べてほしいですよね?このタイミングで、メインをちょうど食べ終わった方のスマホに限定のデザートのクーポンを出します。これで4Rコミュニケーションの完成になります。
要するに、今お店で食事をしている人(最適な相手)に、メインをちょうど食べ終えたタイミング(最適なタイミング)で、デザートのクーポン(最適な内容)を、スマホ(最適なチャネル)で提供する。そうすると、お客様にお店でデザートを食べてもらう後押しができ、単価を上げることにもつながるというわけです。
4Rコミュニケーションをどうシステムに落とし込むか?
吉澤:実際にこの4Rコミュニケーションを実現していく仕組み、いわゆるテクノロジーの部分は我々の専門領域にはなるんですが、どのようにシステムを構築していくべきかお聞かせいただけますか?
宮野:はい、いよいよ実践的なDXの仕組みの部分ですが、システムを導入するだけではDXは成功しません。導入した上でビジネス戦略をどうするか、どうマーケティングを運用していくかをあわせて考えなければいけません。
戦略とシステムを結びつける手順をご説明しますと、まずCDP(Customer Data Platform)(※5)などのデータベースを用意し、そこに自社のデータを全部入れて一元管理をします。そして、MA(Marketing Automation)(※6) ツールを接続して、顧客をセグメンテーションした上で、最適な施策を用意していくという流れです。例えば、ターゲットをセグメント分けして、離反傾向が高い方がいる場合には、離反を防止する施策を用意しておいて、それを最適なデバイス、最適なタイミングで打つというようなイメージです。
(※5)CDP(Customer Data Platform)
CDPとは、Customer Data Platform(カスタマーデータプラットフォーム)の略称で、顧客データを一元管理するプラットフォームです。複数のソースから顧客データを収集・統合し、統一された顧客プロフィールを作成します。これにより、企業は顧客をより深く理解し、パーソナライズされたマーケティングや顧客体験の提供が可能になります。データの活用、分析、他システムとの連携機能も備え、顧客中心のビジネス戦略を実現する重要なツールとして注目されています。
(※6)MA(Marketing Automation)
MAとは、Marketing Automation(マーケティングオートメーション)の略称で、マーケティング活動を自動化・効率化するシステムです。顧客データの管理、メール配信、リードの育成・スコアリングなどの機能を備え、パーソナライズされたコミュニケーションを実現します。これにより、マーケティング業務の効率化、顧客理解の深化、売上の増加が期待できます。特にBtoBマーケティングで重要なツールとして活用され、顧客との長期的な関係構築を支援します。
宮野:施策を組み立てていくときに、私は消費者の購買への道筋というものを仮説としてデザインしております。消費者を購買前・購買・購買後の3つに分類し、まずその会社さんのどこに課題があるのかを見ていきます。 例えば、市場からの認知が低い会社さんですと、購買前のボリュームが少ないので、購買に進むボリュームも必然的に少なくなっています。そうするとCRMに取り組む前に、認知を上げる活動にお金を使った方がいいですよという話になります。別のケースで言うと、購買後の離脱が激しいということが分かれば、ユーザーをトラックして顧客体験を最適化するために、CRMにリソースをかけていくことが重要になるという形になります。
吉澤:だいぶ具体的なシステム構築の方法とそれをどうマーケティング戦略と連動させるかというところをご説明いただきました。具体例をたくさん用いてお話いただきましたので、みなさんもイメージがつきやすかったのではないでしょうか?宮野さん、貴重なお話をありがとうございました。
後編へ続く
「DXセッション前編」はいかがでしたでしょうか。前編では、近年データドリブンが重要視されている背景や、顧客の状態を可視化し、それを戦略に生かすための実践的な方法を宮野さんにお伺いしました。後編では、「データドリブンカルチャー形成までの3つのプロセス~導入期・拡大期・浸透期~」と題し、データドリブンカルチャーを自社で根付かせるまでの3つのプロセスとその方法論、DXを推進していく上でおすすめの対応順序などをお届けします。近日公開予定です。
データドリブン経営の実現に高いハードルを感じている企業様向けに、株式会社MJと我々アイスリーデザインは「Customer Experience 3Ds」というソリューションをご提供しております。こちらは営業資料には載せていない特別なソリューションになりますので、ご興味がある方はアイスリーデザインに直接お問い合わせください。
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顧客体験の向上をゴールに据え、現状把握からデータ分析の土台となるシステムの構築、サービス改善のためのソリューション案策定までの上流工程をお客様のカルチャーに合わせた組織変革の全体設計を得意とする株式会社MJが知見をご提供しつつ、サポートいたします。さらにアジャイル開発やUIUXデザインの知見を豊富に持つアイスリーデザインがユーザーのニーズを掴んだシステム開発をお手伝いいたします。
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