2015年12月15日

テクノロジー

O2Oに使えるApple Watchの「Zaraアプリ」

ファウンダー兼CEO

2015年4月に発売された「Apple Watch」を、発売日当日に無事入手。
今回はApple WatchとEコマースの関係について少しレポートさせていただきたい。

Apple WatchとECアプリ

Apple Watchが何に活用できるかという記事が増えてきているが、ここではEコマースへの活用を考えてみたい。Eコマース系でApple Watchに対応しているアプリは既にいくつか存在している。大きく分けるとAmazon、楽天といったモール系、もう一つは、Zara、Gilt、ユニクロといった各ブランドもしくはセレクトショップが提供しているようなケースだ。

Amazonは、モールの特徴を活かしてApple WatchでSiriの機能で商品検索から実際の購入までワンクリック購入ができる機能を提供している。個人的な感想としては、UberのApple Watchアプリと同様で、画面の大きさから誤タップでの注文がされちゃいそうで微妙に使う気にはなれないが、提供されている機能は利用シーンを想定すると、さすがAmazon非常に上手くUXが設計されている。

一方で、今回ここで紹介したいのは「Zaraアプリ」だが、ユーザーの利用シーンを想定すると、これも非常によくできている。独立系のECサイトやセレクトシップ系のECサイトにも適用可能かと思われるので、提供されている各機能の詳細とも実際のアプリを紹介してみたい。

1. Zaraアプリを起動する

まずApple Watchのアプリ起動画面からアプリをキックしてみるとローディング画面の後にiphoneアプリ側との連携設定を求められる。Apple WatchのZaraアプリは、国と地域を設定するところからアプリの利用が始まる。

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Zaraアプリが面白いなと思うのは、日本でダウンロードできるアプリは海外にいっても、設定を変えなくてもZaraの近くに店舗情報をPUSHしてくる。先日もMobile World Congress 2015でバルセロナにいる際に、バルセロナ市内のカフェでお茶をしていると、普通にGEOプッシュをしてきた。それを考えるとApple WatchでのZaraアプリも、そのまま海外に持っていても同様に利用できるものと思われる。

2. アプリで提供されている機能

Apple Watchの「Zaraアプリ」は、現段階では大きく3つの機能が用意されているようだ。

1) Daily情報の配信

まず初めの画面がdailyのNewsの表示で、曜日ごとに売れ筋のコーディネートをApple Watch上でみることができる。実際の利用シーンを考えるとスマホがあるのに、わざわざApple WatchでNewsを確認するとは思えないが、スマホでみた情報を、移動時間等で、そのまま腕元でみれることよって、消費者心理に浸透させるという意味では、この試みは面白い。

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2) 近くの店舗への誘導

次の画面は、店舗への誘導情報だGPS情報から近くのZaraの店舗情報を、Apple Watchに表示してくれる。最寄りの店舗一覧というこでリスト表示されるので、自分がこれから向かう方面のZara店舗の確認もできる。各店舗からは勿論クリックすると各店舗の詳細情報がでて、地図をタップするとAppleの地図誘導機能が働き店舗までのナビゲーションが表示される仕組みだ。個人的にはアップルが提供する地図からの誘導なので、これはGoogleマップにしてほしい。。というのもあるが、そこはアップル帝国なので目を瞑るしかない(笑)

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3) 注文履歴の確認

最後が注文履歴の表示機能だ。残念ながらZaraで買い物をしたことがないので、ここにどんな情報が表示されてくるかは分からないが、利用シーンとしてはネット上で買ったものを店舗で確認できたりすると面白い。

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このようにApple Watchで提供されている機能は、シンプルなものとなっている。逆に提供者側から考えると、ユーザーの行動シーンを考えていかに機能を選択するかが大事になってくるので、そういった意味で、この行動シナリオの設計がアプリを提供する上では肝になりそうだ。

Yoichiro Shiba

ファウンダー兼CEO

大手シンクタンクにて金融機関むけのシステムコンサルティング業務に従事後、ソフトバンクにて海外ベンチャーキャピタルとの折衝、投資案件のデューデリを担当。当時ソフトバンクグループ会社内の最年少役員。その後、一部上場企業を対象に投資事業ポートフォリオ再編、バイアウトのアドバイザリー業務を提供、複数のIT企業の役員歴任。ロータリー財団の奨学生としてドイツBielefeld大学にて社会哲学を専攻。

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