著者: UX Design Agency for Banking and Fintech - アカウントディレクター兼UX Design Agency UX専門家 Alberts Pimpurs
UXDA is a leading financial user experience and user interface design agency for banking and FinTech that executes design thinking in finance industry.
こちらは、UX Planetから許可をいただいて翻訳・掲載している記事・画像です。UX Design as Innovation Driver For Future Banking
目次
ウサギの穴に潜る
ここに、テクノロジーのウサギの穴があるとしましょう。小さなアリスは4歳にして既にそこに飛び込んだようなのです。
ある日、彼女は私のスマートフォンを取りあげ、おもむろにカメラアプリを起動しました。そこから30分ほどで、何十枚もの写真でスマートフォンの容量をいっぱいにしてしまったのです。
そんな小さな子がカメラアプリを使いこなしてしまうなんて…!私は驚きました。でも、クパチーノ(訳者注:Apple Inc.の所在地、カルフォルニア州クパチーノ)の人々にとっては、別に大したことではないんですよね。ここでいうと、カメラの機能の完全な単純化に成功しているのですから。単純化した使い方は、「まずカメラアプリを開き、魔法のボタンをタップする」で終わり。めちゃくちゃシンプルです。ボタンをひと押しする方が息をのむようなクリエイティブな経験ができる。アイスクリームよりも、小さな魔法のボタンのほうがはるかに4歳の子供を幸せにしてしまうんです。
(さて。どう思います?下の写真のような何百年も前のマニュアルカメラでは、先ほどのように簡単に使えるでしょうか?)
さて、金融はどうでしょう。私たちの生活を極端にシンプルにしてくれ、楽しくうれしい経験をもたらしてくれているでしょうか?そうではないですよね。ここでメインになってくる問題のひとつは、私たちの人間性の中にあります。
科学者によると、顧客の行動の80%は、人間の脳の古来の部分である潜在意識によって決定されるそうです。金融とは私たちの大脳新皮質の冷静な意識に存在する、人工的なコンセプトです。これが、私たちの計算や金融行動が完璧でない理由でもあります。
金融サービスの設計者として、私たちのミッションは金融を極限までシンプルし、顧客の理解を高めること。アリスにとってのカメラアプリのようなものです。
この穴は想像よりも深い
不幸なことではありますが、すべてのサービスプロバイダーがこの問題に気付いている訳ではありません。ある調査では、顧客理解についてとても大きなギャップが存在することが明らかになっています。サービスプロバイダーの81%が充分に顧客のニーズを理解していると確信していますが、クライアントのたった37%のみしかその事実に同意していません。いくつもの誤認識や誤解が存在しているようです。
ネットバンキングユーザーの70%が2つから4つの主な銀行のサービスしか使用していないのはそういうことなのです。そして、利用可能なサービス数と比較しても、信じられないほど小さな数字です。なぜ?それは、顧客は他にもあるサービスの価値を理解していないからです。
顧客経験の中の小さな部分に過ぎないものが、実際は顧客のロイヤリティに直接的な衝撃を与えます。統計によって、サービスを変更した顧客の半数が悪い経験をしたことが明らかにされています。
こんにちの顧客は、銀行員よりも自分のスマートフォンを信頼する傾向があります。技術会社は古き良きマーケティングよりもユーザーエクスペリエンスのデザインで価値を生み出すプロセスになるかどうかを賭けています。人は言葉なしでは素晴らしいアイデアも伝えることはできないように、技術もデザイン無しでは価値を伝えることができません。やがて、技術会社はその問題を打ち砕いたのです。彼らはデザインは言語だということを通じて、コミュニケーションを取り、教え、顧客を得ることをしています。
そして今、技術はお金へと注目しています。技術革命が起こっていますが、金融業界もその例外ではありません。世界経済は電子決済のボリュームを急増させただけでなく、すでに優勢となっています。ヨーロッパの有名銀行であるHSBC、ドイツ銀行、ロイズ銀行、DNB、サンタンンデール銀行、ロイヤルバンクオブスコットランド、バークレイズは1,000店以上の支店の閉店を予定していると発表しました。
スウェーデンが完全キャッシュレス経済を2030年までに導入する最初の国となる、と専門家たちは予想しています。現金社会からデジタルファイナンスのみの社会へと、私たちは急速に移動しているのです。そしてこれが全てを変えていくのです。
今すぐFinTechに目を向けてください。FinTechの新興企業はこの革新的な金融サービスからもたらされるチャンスの窓に気付いています。現在では何千ものサービスがあり、すべての共通する主な優位点として、顧客中心のデザインをしているということを掲げています。
これは、Appstoreでも明らかです。銀行アプリが半分未満であるのに対し、個人向け金融アプリの平均評価は80近くあります。
白いウサギを追え
さあ、何ができるでしょう?最初にクリアにしたいのは、たくさんのFinTechサービスがあることで、顧客中心の経済となり、その只中に私たちがいるということ。
そして成功するただひとつの方法は、顧客を理解し「顧客の靴」に踏み込むことです。顧客の靴の中に踏み込むことは、リサーチやインタビュー、聞き取り調査を行い、ユーザーの苦痛や金融サービスを利用する動機を理解することでできます。
「顧客の言葉」を話す必要もあります。理解するためには、ユーザー心理とパターンに基づく効果的なデザインや分類のサービスを提供させるようなユーザーの価値観や認識、振る舞いを見つけ出す必要があります。
集められた知見全てはユーザーエクスペリエンス(UX)デザインに盛り込まれるはずです。そして、私たちは「魔法のボタン」の経験も必要とします。
一度タップしただけでどんな問題も解決する魔法のボタンを、みんな夢見ています。様々な分野のフォーム全てを消して、複雑さを取り除いてくれるような。アリスがあなたの顧客となったなら、彼女をがっかりさせたくはないでしょう?
将来は、直感的で完全に単純なインターフェースを提供し、金融サービスの複雑さは裏へ持っていく必要があります。APIを通じて必要な情報をインポートできるため、ユーザーに全ての複数な段階を踏むようなフォームを記入してもらう必要はなくなるでしょう。
ますます変になっていく!
それでは、金融でのUX Designのおすすめの使用法を、いくつか見てみましょう。
リサーチから始めましょう:
- ユーザーの金融サービスを使用する上で苦痛を感じるポイントを見つけましょう
- ユーザーの好むタスクに優先順位をつけましょう
- 世界で一番の実用方法を見つけましょう
- エンドユーザー個人のポートフォリオを「描き」ましょう
- 彼らのモチベーションを見つけるためのインタビューを行いましょう
それから、これらすべてを全体的で着実なユーザージャーニーマップに盛り込みましょう。それはあなたのサービスがもたらすべき完璧なユーザーエクスペリエンスを示すでしょう。そして、それはあなたのユーザーインターフェースのデザインを形作るでしょう。
その後、情報アーキテクチャやワイヤーフレーミング、UIのデザイン手法を使って、単純化と「魔法」をもたらすことが、金融系のインターフェースを通してできるのです。
綺麗なお庭に入りましょう
それでは、私たちの実体験から応用した、いくつかの機能を確認してみましょう。
ユーザーの金融マネジメントを簡略化するために、日々や月々で支払える安全な額を、カテゴリごとで表示できる「smart budgeting」を私たちは作りました。
もう一つの特徴は、P2P支払いです。受取人の支払いの詳細を知らなくても、FacebookまたはTwitterなどの連絡リストから受取人を選択できる方法です。もちろん、支払い詳細を知っていれば、口座対口座の取引が選択可能です。
そして最後にお伝えしたい特徴は、financial marketplaceという、退屈な製品リストを実際に高い魅力のある銀行アプリストアに移行するものです。銀行コミュニティからの魅力的な画像や個人的なオススメ、顧客の声、サポートを用いて行われます。それは私たちがすでに馴染みのある現代の方法で金融経験を提供します。
(さらに知りたい場合は、ケーススタディである「How Online Banking UX Design Should Work」をご覧ください)
そして最後にはテストを行います。
実際のユーザーにプロトタイプを見せることで、その分野におけるあなたのデザインセオリーを証明しましょう。私たちの場合は顧客満足度を320%、魅力度を85%上昇させました。これで、どう収入につながるかすべて想像できるでしょう。
メインのお土産
UX Design Agencyからの銀行革新レシピは「かなりシンプル」なのです。
- 「顧客の靴」に踏み込む
- 「顧客の言葉」を理解する
- 「魔法のボタン」経験を結果としてもたらす
こちらは、UX Planet から許可をいただいて翻訳・掲載している記事・画像です。UX Design as Innovation Driver For Future Banking
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