ゴールデンサークル理論とは、マーケティングコンサルタントであるサイモン・シネック氏が、2009年に『TED TALK』でプレゼンした『優れたリーダーはどうやって行動を促すのか』の中で提唱した理論です。
目次
Whyからはじまるストーリー
普通の人は、ゴールデンサークルの外側から内側に向けて、「What⇒How⇒Why」の順に考えると言います。しかし、優れたリーダーは逆で、Why⇒How⇒Whatの順で考え、伝えます。Whyに共感が生まれれば、人々を惹きつけることができるとのこと。なるほど。
もしアップルが、iPhoneやMacを、Whatから入った伝え方をしたとすると、こうなります。
“我々のコンピュータは素晴らしく、美しいデザインで簡単に使え、親しみやすい商品です。ひとつ買いませんか?”
これを逆に、Why⇒How⇒Whatで伝えると、どうなるでしょうか。
“我々のすることはすべて世界を変えるという信念で行っています。
違う考え方に価値があると信じています。
私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされ簡単に使え、親しみやすい製品です。
こうして素晴らしいコンピュータができあがりました。”
はじめにアップルのWhyであるビジョンを伝える。人々はこれに共感するからこそ、アップルの商品を手に取る。これがWhyからはじまるストーリーです。
個人のWhyを起点に事業を描く。
ここからが本題です。新しい事業は、ある意味非合理な判断の中からしか生まれません。合理性のある理屈を積み重ねていけば、多くの場合、
- 「リスクが大きい」
- 「成果が読めない」
- 「時期尚早でまだ判断すべきではない」
という結論に向かっていきます。合理的な判断は企業経営において重要ですが、それだけでは新規事業を生みだすことはできません。
しかし私たちは、無意識に組織や業界の秩序、慣習に引き寄せられ、合理的な思考が発動してしまうのです。
そのような高くそびえる合理的思考の壁を飛び越えてくれるのは、
「理屈はそうかもしれないが、自分は何がなんでもやりたいんだ」
という個人の思いではないでしょうか。
企業の中で新しい風を起こすイントレプレナーと呼ばれる方々に話を聞くと、決まって“社内の反対を押し切って”というフレーズがあります。個人のwhyに寄り添いながら、そのエネルギーをうまく活用し、事業を創り出す仕組みが今、多くの組織に求められているのです。
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サイモン・シネック「WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う 」(日本経済新聞出版社, 2012)
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