権限を持たないリーダーが人を動かす6つの法則

権限を持たないリーダーが人を動かす6つの法則 

 

新型コロナウイルス感染症は世界中で猛威をふるい、いまだに先の見えない状況が続いています。この急激な外圧によって、あらゆる企業が事業、組織、働き方といった多岐にわたる範囲で同時に見直しを迫られています。

みなさんの会社においても、この変化に対応すべく、既存の組織の機能や役割を超えて、多くのプロジェクトが一斉に立ち上がっているのではないでしょうか。

しかし、これまでの日本の企業に多く見られる機能的組織においては、プロジェクトリーダーにはほとんど権限があたえられていません。つまり強制力がないわけです。強制力がないなかで、周りの協力を引き出して仕事を進めてプロジェクトを成功させる必要があります。すなわち「権限の伴わない影響力」を発揮しないといけないわけです。

そこで今回は、そんなプロジェクトリーダーがまわりの協力を引き出すための原理原則。「人を動かすには、相手が求める何かを提供し、こちらのほしいものと価値の交換をする」というコーエン&ブラッドフォードが提唱する影響力の法則について紹介したいと思います。

 コーエンとブラッドフォードは人を動かすために意識すべきことを、6つの原則にまとめました。また影響力を阻害する要因に提示しています。順番にみていきしょう。

 

法則1:すべての人は味方になり得ると考える。

「協力してくれいない人がいるとき「あの人は何もわかっちゃいない」と批判したくなりますが、批判しても相手は動きません。プロジェクトを成功させるには、自分が苦手な人であっても味方にすることができる。と考えること(思い込む)が何より重要です。全ての人をパートナーとして捉えましょう。

 

法則2: 自分の正しさを証明するのではなく、成果を得ることに注力する

人を動かすときに重要なのは、相手から何を引き出したいのかはっきりさせ、それに注力することです。陥りがちな間違いは「自分は正しい、相手は間違っている」と考え正しさの証明に終始してしまうことです。相手に何をしてほしいのかわかっていないと、本来の目的より個人的な感情を優先してしまいます。

 

法則3:相手の世界を理解する

「なぜこんな簡単なことに協力してくれないんだろう?」と思うときは相手の心配ごとを理解できていないのかもしれません。相手を理解するとは相手の懸念を理解するということです。相手の組織内での立場や期待されている成果など相手にとって重要なことにも思いを巡らせましょう。

 

法則4:適切なカレンシーを特定する。

相手から協力を引き出すとは、相手にとって価値のある何かと交換することでもあります。この何かを「組織通貨(カレンシー)」と呼びます。 これは評価や便宜といったものに限りません。相手とのどのような価値交換ができるのか、相手の望むものは何か?考えましょう。価値交換の方針がきまっていないと、相手の善意に期待しすぎてしまったり、相手の期待や懸念にそえず一方的な要求に陥ってしまい、うまく協力が引き出せません。

 

法則5:相手のスタイル、関係に配慮する。

協力を引きだすには、相手のワークスタイルが大きく影響します。たとえば、「まずは相談すること」を求める人もいれば、「十分に検討した上で相談することを求める人もいます。」相手のスタイルにあわせたコミュニケーションを求める心がけることで協力を引き出しやすくなります。

 

法則6:目的を見失わない。

相手から協力を引き出す目的は、プロジェクトを成功させ、成果を生み出すことにあります。良い仕事をしたとほめられたい、早く済ませてしまいたい、ラクをしたい、といった個人的な観点で相手を巻き込んでしまっていないか?自分のスタイルを押し付けていないか?自問しながら対話することが大切です。

 

要約すれば「組織内の人間関係は貸し借りである」とこれに尽きます。

相手の協力をうまく引き出せないとき、それは貸し借りのデザインがうまくできていない、あるいは機能していない。と言えるかもしれません。プロジェクトリーダーは常に貸し借りの意識を持ち、相手の興味や価値観、大切にしていることの探索を怠ってはいけないのです。

 

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Nobuyuki Ohnaga
株式会社アイスリーデザイン取締役、株式会社bridge代表、サービスデザイナー。日本にペルソナを導入した先駆的企業であるmct社のコンサルタントとして人間中心イノベーション手法を活用した商品開発、サービスコンセプトの構築、イノベーション人材育成といったプロジェクトをリード。2017年1月bridge.Incを設立。多様な業種、組織の200を超えるデザインプロジェクトの実践経験をノウハウとして体系化し、スタートアップや中小企業のイノベーションを支援する。2017年8月より株式会社アイスリーデザインに役員として参画。
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